喫茶店を出ると、軒先に停車したバイクに乗り込んだ野間。
私は声をかけた。
「野間くん」
「はい」
「その……ごめんね、右目。私のせいで」
痛々しい傷痕。
隠す気のないそれを、野間はタトゥみたいなものだと笑っていたけれど。
見るたびに、心が苦しくなる。
謝ることしかできないことが、悔しい。
「前も言ったのに」
「そうだけど」
「気にしないでください。僕が選んでやったことだ」
「………」
そうだとしても。
「……うーん。まあ、言っていいか」
野間は一度困ったように空を仰いでから、真剣な顔でこちらを見た。


