「カエデさんへの罪悪感は、最終的には『シトウの紫藤』から生まれたものだ」
「それは、シトウの紫藤への報復としてカエデさんが襲われたから?」
「はい。でも、カナコさんは違う」
シドの私への罪悪感。
だって手を出したのは、他の誰でもない……。
「シトウは関係ない。紫藤さん自身が、あなたを傷つけ、壊した」
「………」
「僕は。カナコさんを通して、紫藤さんに視てほしいものがある」
「……それはなに?」
「そこはナイショっす」
「なにそれ……」
肝心なことは教えてくれない。
野間はもう何も言わず、グラスに引いた線を結んで遊んでいる。
「………」
シドと、カエデ。
私と、タカ。
シドも私も、大切な人を失くしている。
出会った頃。
シドは私に、カエデを重ねていた。
そしてタカを失くした私は。
同じように、罪悪感を抱え。
いつの間にか、シドと同じ場所に立っていた。
だけど今。
心が壊れたシドは。
カエデと同じだと、アオイは言った。
……そんなシドに。
野間は、何を視せたいって言うんだろう。


