余所者-よそもの-【 3 】




「……野間くんは、どうして多夜さんに手を貸したの?」


私はずっと野間に聞きたかった。


どうして、一度私をシドから離した彼が。

再び私をシドのところに連れ戻したのか。


「紫藤さんを、助けてほしかったから」


その答えはわかってた。

でも、本人の口から聞きたかったし、それに。


なぜ私だったんだろう。


「紫藤さんからすれば、カナコさんは罪悪感のかたまり」

「………」

「もう、逃げないでほしかったんで」


それは、変だと思った。


「シドはずっと向き合ってたじゃない。カエデさんへの罪悪感に」

「はい」

「野間くんはそれを『不幸』とも思ってたんだよね?」

「はい」

「なのに、もう一度向き合わせるの?」


野間はアイスコーヒーの入ったグラスの結露を指の腹で拭い、四本の線を引く。


「もう一度、とは違います」

「どう違うの?」

「同じ罪悪感でも、紫藤さんの向き合うものが違う」


……向き合うもの?