余所者-よそもの-【 3 】




「今、シトウってどうなってるの?」

「瑞生さんや地下の売人からなんも聞いてないっすか?」

「少しだけなら聞いてる」


シトウは変わりがない。


抗争に勝ったとはいえ、シドも私もいない今。

ユキには、これ以上街に何かをする理由がないから。


千景から、そう聞いていた。


でも。

「シドはともかく、多夜さんもずっとコッチにいるし」


本当に何も変わってないのかな。

ずっとそう思ってた。


「ぶっちゃけ、シトウは今ちょい複雑っすね」

「複雑?」

「街の認識でも、シトウは抗争に負けた」

「うん」

「でも、だからって今日から瑞生さんに従います、とは当然ならない」


そこで野間は、運ばれてきたコーヒーを口に運んだ。

どうやら口の中も切れていたらしく、「いてて」と顔を歪める。


「紫藤さんは何の説明もなく消えたまま。多夜さんもいない。だから今、シトウの中が一番ぐっちゃぐちゃ」

「じゃあ……ユキさんたちは?シトウの人に狙われたりしてないの?」

「そっちは逆っすね」


……逆?


「手なんて出せないっすよ。瑞生さんにも、地下の売人にも。シトウにそんな余裕がない」

「………」

「だから行き場のないストレスが、全部中に向いてる」


野間は腫れた頬を指でつついた。


「これも、簡単に言うとソレ」


そっか。

本当にユキやみんなが無事ならよかった。

抗争のせいで、シトウから狙われ続けてるんじゃないかと、気になっていた。