「……ありがとう、獏さん」
『俺が渡したノート。ちゃんと書いてるか?』
「あ……」
ユキの家に置いてきて、そのままだ。
ここに来てからは書いてない。
「前までは書いてたんですけど、ノートを別のところに置いてきてしまって」
『言っとくけど、別に俺が渡したノートじゃねぇとダメってことはないぞ。あれは何の変哲もないノートだ。お前マジで俺のこと魔法使いと思ってんじゃねぇだろうな』
「それはさすがにわかってます」
『じゃあ、ノートの代わり』
ノートの代わり?
『今のお前の気分は?』
……今の、私の気持ち。
うーん、と少し考えて。
ポン、と頭に浮かんだこと。
「なんだか、誰かに会いたいです」
『ふぅん。そうか』


