『お前って、誰か一人に寄っかかって生きてんのか?』
電話口の獏の言葉に、私は首を横に振る。
そんなことない。
そんなわけない。
今に始まったことじゃない。
これまでずっと、私は。
いろんな人の手を借りながら、生きてきた。
タカが死んだときには。
シドが、立ち上がらせてくれた。
──『嫌なの、自分が。私はまた、シドのせいにして逃げようとしてる』
──『お前の全部、この俺が許す』
ユキが、歩ませてくれた。
──『……痛いね』『でも、お前はよく我慢をするから』
──『彼に、一度もちゃんと言えなかった』『ごめんなさい』
シトウに来る前。
独りぼっちだったときは。
タカが、ずっとそばにいてくれた。
──『タカ……ありがとう。わたし、幸せだよ……』
獏は、なんてことのないように言う。
『何を聞きたかったのかは知らねぇが』
「………」
『俺は薬を練っただけ。治したのはお前自身』
私が、治ることを選んだ。
『お前が身の回りにあるモンを、薬に変えただけ』
人と人との繋がりを。
薬にして。


