「教えてよ、獏さん」
「………」
「獏さんは、どうやって私を治したの?」
『俺は薬を練っただけ』
……獏のうそ吐き。
「違うと思う」
『なんでそう思う』
「だって、魔法にかかったみたいだった」
獏の薬も。
獏の言葉も。
獏の宿題も。
獏が差し出してくるものは全部、驚くほど私によく馴染んだ。
何かが変わっていくのに、何かを変えられている感覚はなくて。
ただ気付けば、暗いところから明るい場所に連れ出されていた。
『俺は魔法使いじゃねぇし。ってか、30超えた男に魔法使いって相当喧嘩売ってんぞ、お前』
「え、なんでですか?」
喧嘩なんか売ったつもりない。
『お前ってやつは、ヒドイやつだな』
「だから、なんでって聞いてるじゃないですか」
『ソッチはもういい』
「はい?」
『お前、俺に治してもらったと思ってんのか?』
獏以外に、誰が。


