余所者-よそもの-【 3 】



翌日。

私は電話をかけた。


「獏さん、忙しいのにごめんなさい。ちょっと、聞きたいことがあるんですけど」

『んだ、どうした?』

「ラボにいるとき……どうして獏さんは、毎日一つ自分を許せって言ったり、私にいろんなことを選ばせたりしたんですか?」

『……。なんでそんなこと聞く?』


だって獏は、私を治してくれた。

普通に生きられるようにしてくれた。


獏と同じことが自分にできるとは思えないけど、ヒントがほしい。

でも、何から話せばいいのかわからない。


「……なんとなく、知りたくて」

『じゃあ、俺もなんとなく』

「え」

『そうしたいって思ったから。以上』


ダメだ。

ちゃんと話さないと、獏もちゃんと答えてくれない。


「この間、話した人。生きていてほしい人がいるって、言ったじゃないですか」

『ああ』

「その人のことで……私、どうしたらいいか、わからなくなってしまって」

『いい調子じゃねぇか』

「……話、聞いてました?」


ちゃんと話したのに。