翌日。
私は電話をかけた。
「獏さん、忙しいのにごめんなさい。ちょっと、聞きたいことがあるんですけど」
『んだ、どうした?』
「ラボにいるとき……どうして獏さんは、毎日一つ自分を許せって言ったり、私にいろんなことを選ばせたりしたんですか?」
『……。なんでそんなこと聞く?』
だって獏は、私を治してくれた。
普通に生きられるようにしてくれた。
獏と同じことが自分にできるとは思えないけど、ヒントがほしい。
でも、何から話せばいいのかわからない。
「……なんとなく、知りたくて」
『じゃあ、俺もなんとなく』
「え」
『そうしたいって思ったから。以上』
ダメだ。
ちゃんと話さないと、獏もちゃんと答えてくれない。
「この間、話した人。生きていてほしい人がいるって、言ったじゃないですか」
『ああ』
「その人のことで……私、どうしたらいいか、わからなくなってしまって」
『いい調子じゃねぇか』
「……話、聞いてました?」
ちゃんと話したのに。


