余所者-よそもの-【 3 】



眠れない。

何度寝返りを打っても、アオイの声は消えなかった。


私がいる限り、シドは自立しない。

なぜなら。

今のシドと、カエデが同じだから……か。


シドは。

私がいれば、ご飯を食べる。
私がいれば、言葉を話す。
私がいれば、笑う。
私がいれば、眠る。


……カエデも、シドがいないとできなかったんだ。


いつか野間から聞いた、カエデとシドの話。


──『カエデさんは、病み続けることでしか紫藤さんを繋ぎ止められなくなった』

──『罪悪感という鎖で、今も紫藤さんを縛り付けてる』


シドは、離れられなかった。

だって自分がいなきゃ、生きられない人がそばにいるから。


──『どうして離れないんですかね。こんなに不幸なのに』


あのとき、私は答えられなかった。

今も、どう言葉にすればいいのかわからない。


だけど、やっと繋ぐことができたシドの未来を。

生きる意志を。

今ここで手放すことなんて、とてもできない。


……シドがカエデと離れられなかったのも、同じ理由なのかな。


ねぇ、シド。

私はどうすればいいんだろう。