「じゃあ、行ってくる」
今日は少し遠出をして、大きなショッピングモールで調理用具やみんなの生活用品を見に行く。
「みんなのお昼ご飯は置いてあるから、温めて食べてね」
アオイにそう言い残し、マンションを出る。
外出といえば、これまでは近所のスーパーくらいだったけれど。
シドはもうずいぶん回復してきた。
最近は言葉も増えてきたし、自分から動くことも多くなった。
たまには、気晴らしも兼ねて。
三時間ほど家をあけた。
「ただいま」
両手に荷物を提げて、マンションに戻る。
「おかえり」
出迎えたアオイ。
リビングの奥のシドをちらりと見る。
「……あれ?」
簡易テーブルの上に、置かれたままのお皿。
手つかずのお昼ご飯。
「シド、お昼食べなかったの?」
「私じゃ、食わない」
その言葉に、アオイを振り返る。


