余所者-よそもの-【 3 】



私は薬と水を手に持って、シドのそばに駆け寄った。


「シド、身体痛い?」

「………」

「ここ?」


腕に触れながら、痛む場所を探す。


「起き上がれる?薬持ってきた」


薬を飲ませてから、しばらくシドの背中を擦り続けた。

これで眠れるといいけれど。


「甘やかしすぎ」


千景が音もなく近づいてきた。


「……甘やかすもなにも、まだシドにはできないよ」

「わかってる?ママは帰るんだよ」

「当たり前でしょ。そのためにこうして──」


「このままだとソイツ、ママなしじゃ生きられない人間になる」


私は千景を見た。

リビングから漏れる薄明かりを背にした千景のその顔は、よく見えない。


「今だけだよ……」


今はまだ、この手が必要だ。


私はシドが眠りにつくまで、そばを離れなかった。