余所者-よそもの-【 3 】



シドがだんだんと戻ってきてる。

身体も、生きようとする意志も。


このまま、きっと。

シドは元気になる。

そう、確かな手ごたえを感じ始めていた。


──そんなある日の、深夜。

ふいに目が覚め、リビングに向かった。


電気が点いてる。

誰だろう。


「ママ」

「千景、どうしたの?寝ないの?」


ダイニングテーブル。

チェアの背もたれに肘を乗せ、千景が頬杖をついていた。


「アイツにいつ薬ぶち込もうか、迷ってる」


ダルそうな千景の、視線の先。

開けっ放しの隣の部屋。


ベッドの上のシドは、寝がえりをうちながら身じろぎをしている。

……また、ドラッグの離脱症状だ。


「どういうこと?薬、まだ飲ませてないの?」

「うん」

「獏さんから薬もらってるじゃない。気付いてるならあげてよ」

「嫌だよ。自分でくれって言うまで、やんない」


そんなこと言ったって、言葉も多くないシドには難しい。

千景だってわかってるくせに。