余所者-よそもの-【 3 】



テーブルに転がっていた煙草を手に取り、自分の口に咥えた。


唇に触れた煙草から、微かな苦味を感じる。

煙草を吸うのは初めてで、少し怖い。


眺める火に、ゆっくりと顔を近づけていく。

すると、口から伸びていた白い煙草がふいに消えた。


見れば、煙草はシドに取り上げられていた。


「吸うな」


シドは私を見つめたまま、取り上げた煙草を唇に挟んだ。


「………」

灯った火を、ゆっくりとシドの口元へ近づける。


シドがわずかに顔を伏せた。

揺れる火の向こうに、伏せられた瞳。


ジリジリと。

煙草の先端を、赤く光らせる。


やがて顔を上げたシドが、目を細めた。

ふう、と。


唇から吐き出された白煙が、私とシドの間をゆっくりと漂う。


「………」

その仕草が。

ひどく、懐かしかった。