余所者-よそもの-【 3 】



「シドの好きな食べ物って、何?」

「………」

「多夜さんとアオイに聞いたけど、二人とも知らないって」

「………」

「私もわからなくて。もっといろんなこと話しておけばよかった」


シドとはいろんな話をしてきたはずなのに。

こんな話は、全然できなかった。


「シドの好きなものって、なんだろう」

「………」

「元気になったら、教えてね」


シドが食べ終わると、空の食器を持ってキッチンに戻った。


「ごめんね、みんなの分もすぐ用意するね」


ハンバーグもすっかり冷めてしまった。

温め直さなきゃ。


コンロに火をかけたところで、後ろから小さなアオイの声が聞こえた。


「お前だと、食うんだな……」

「無理させちゃったかな?お昼ご飯失敗したって正直に話したら、食べてくれた」


食べなきゃかわいそうだって思われたのかもしれない。


私は、アオイがどんな顔をしているのかを見もせずに。

ただ、冷めたハンバーグを温め直した。