私はアオイからプレートを受け取り、シドのところに向かった。
ベッドの上に組み立てた簡易テーブル。
身体を起こしてぼうっと座るシドの前に、コトリとプレートを置いた。
「シド、食べない?」
「………」
「食べたくない?」
シドの目が、私を映す。
「……あ。もしかして」
今日のお昼ご飯は、少し出来が悪かった。
「お昼ご飯、失敗したのバレた?」
「………」
「でも、ハンバーグは上手くできたと思うんだけどな」
シドがゆっくりと瞬きをした。
手は動かない。
今は食べたくないのかも。
もう少し後で出してみようか。
「……じゃあ、一回下げるね」
私は肩を落として、プレートに手をかけた。
すると肘に、何かが触れる。
視線を落とすと、そこにあったのはシドの手だった。
「食う」
その声にほっとして、肘に触れていたシドの手を取り、お箸を渡す。
「ハンバーグ、嫌いなのかと思った」
私がつくった料理を黙々と口に運んでいくシド。
ただそれを見ているのも寂しくて、私は勝手に話し続けた。


