余所者-よそもの-【 3 】



シドは数日、何も変わらなかった。

声をかけようが、触れようが、無反応。


その様子に多夜やアオイは何も言わなかったけれど、私にはわかった。

とても落胆していた。


私がいれば、シドはきっと反応を示す。

そう、藁にも縋る思いだったはず。


手探りの日々の中で、私はアオイと一緒にシドの介助をした。

水を飲ませたり、食事を食べさせたり。


シドが自分から何かを要求することはない。

外の世界にまるで興味がないようだった。


ただ、ぼんやりと目の前に差し出されたものを受け入れていく。


こんなに身体は生きようとしているのに、その意志がない。

……そんな風に見えた。


シドの身の回りのこと以外の時間は、食事をつくったり、買い物に出かけたり。


外に出ても、AnBarや、ユキのところには顔を出すことはしなかった。


『信じて』

そう伝えたから。

受け入れてくれたユキに、中途半端なことはしたくなかった。


その代わりに、私は毎日ユキにメッセージを入れた。

”今日も私は元気です”なんて、短くてとてもシンプルなメッセージ。


シドの様子や状況は伝えず、ユキも特に尋ねてこなかった。

返ってくるのは”夢は見てないか?”とか、”飯は食ってる?”とか。

私を心配する内容がほとんどだった。