余所者-よそもの-【 3 】



獏は本当に忙しいみたいで、住所を聞き取るなり『薬が出来たら送る』とだけ言って電話を切った。


「千景、ありがとう」


スマホを返すと、千景は辺りをきょろきょろと見渡す。


「で?ここ、寝る場所はあるの?」

「寝る場所?」

「多夜と同じ部屋は勘弁。ママと同じ部屋がいい」


私は目を丸めた。

もしかして。


「千景も一緒にいてくれるの?」

「言ったじゃないか。僕はどこにでもついていく。ママからは離れない」


ユキはここに監視を置く、と言っていたけれど。

まさか千景が来てくれるだなんて。


「言っとくけど、納得はしてないよ」

「……うん」

「とっとと片付けて帰ろう。どうにもならなきゃ、最後は僕がコイツの息の根を止めてやるから」


そう言って、ベッドの上のシドを視線で指す。


強力すぎる監視。

頼もしすぎる仲間が、この場に加わった。


そうして。

多夜とアオイ。

私と千景。

そして、シド。


奇妙な共同生活が始まる。