「あの、すみません。薬のことなんですけど……」
『お嬢ちゃんがらみってことは聞いた』
「はい」
『死にたがりを助けようとしてるんだって?』
「無理言ってごめんなさい。だけどお願いします」
『ついこの間まで落ちこぼれてたお前が、大層なこったな』
獏の声色はやれやれ、と。
そんな風。
『俺はまだオランダだ。忙しいんだよ。それにコッチから薬を送るのだって、どれだけ骨が折れると思ってる』
「なんとかなりませんか……?」
『あのな。別に薬なんてさして重要じゃねぇんだよ。治るモンは治るし、治らないモンは治らねぇ』
「でも」
『あ?』
「私、獏さんのがいい」
だって獏の薬は、なんだか特別な気がする。
効く気がする。
「どうしても、生きていて欲しい人なんです」
『……特効薬はもうソッチにある気がするけどな』
「え……?」
どういう意味?
『送り先の住所を言え』
わからない獏の言葉に呆けている暇もなく。
私はアオイから教えてもらった住所を速やかに伝えた。


