余所者-よそもの-【 3 】



「あの、すみません。薬のことなんですけど……」

『お嬢ちゃんがらみってことは聞いた』

「はい」

『死にたがりを助けようとしてるんだって?』

「無理言ってごめんなさい。だけどお願いします」

『ついこの間まで落ちこぼれてたお前が、大層なこったな』


獏の声色はやれやれ、と。
そんな風。


『俺はまだオランダだ。忙しいんだよ。それにコッチから薬を送るのだって、どれだけ骨が折れると思ってる』

「なんとかなりませんか……?」

『あのな。別に薬なんてさして重要じゃねぇんだよ。治るモンは治るし、治らないモンは治らねぇ』

「でも」

『あ?』

「私、獏さんのがいい」


だって獏の薬は、なんだか特別な気がする。

効く気がする。


「どうしても、生きていて欲しい人なんです」


『……特効薬はもうソッチにある気がするけどな』

「え……?」


どういう意味?


『送り先の住所を言え』


わからない獏の言葉に呆けている暇もなく。

私はアオイから教えてもらった住所を速やかに伝えた。