「アオイは、いつからシドを見てたの?」
「お前がリビドーを出たあと」
前に、アオイは言っていた。
──『私はずっと見ている。この、シトウの街を』
一眼レフを提げたアオイが街を見ていたのは、カエデのためだ。
──『カメラは、目だった。シトウが好きなねぇさんに、シトウを見せるための』
そうか。
アオイは、カエデさんがいなくなった後も……──
「ずっと、シドを見てたんだね」
アオイはすぐには答えなかった。
「はじめは……」と迷うように口を開いて、閉じて。
やがて意を決したように話しだす。
「初めは、お前を見てた」
「私を?……どうして?」
「自分のせいだと、思ったから」


