余所者-よそもの-【 3 】




「シド」


私は、静かに呼びかけた。


だけどやっぱり反応がない。

返事もなければ、動きもしない。

こちらを見もしない。


「……ずっと、こうなの?」

隣に立つアオイに尋ねた。


「うん。ここ一ヵ月くらいこの調子」

……一ヵ月も。


一体、離れている間に何があったのか。

尋ねるまでもなく、アオイがひとりでに話しだす。


シドは、ドラッグの大量摂取が原因で病院に運ばれた。

入院をして、命の危機こそ脱したものの。

ドラッグの摂取を止めても、よくならない。

精神的なものと相まって、状態は複雑だという。


外の世界から自分を切り離してしまったかのように、ここ最近はほとんど寝たきりだそう。


状態が落ち着いてからも入院を続けていたけれど、多夜の希望で自宅看護に切り替えたのは最近のこと。

煙草を吸わせてやりたい。

アオイはそれしか理由を聞いてないと言ったけど、なんとなくわかる気がした。