「………」 本当、どうしようもない。 だって、腹が立つほど愛おしい。 ……この、カナコの優しさが。 ちゅ、と。 ユキは目の前の額の傷へ、短い口づけを落とした。 手の中で、カナコの頬が赤く染まる。 ──『お前は生きるのが下手だね』 ユキはシートベルトを締め。 車のエンジンをかけた。 向かう先は、紫藤のマンション。 「お前も、俺も。生きるのが下手だね」