余所者-よそもの-【 3 】




「……ユキさん?」


上向いたカナコが、持ち上げられた前髪に気が付いた。


「恥ずかしいです」


やめて、と。

ユキの指先へ、手を伸ばす。


「傷は、消えない」


触れる寸前、その手をそっと捕まえた。


「深ければ、深いほど」

「………」

「俺は、お前が傷つくのが嫌だ」


カナコは真っ直ぐなユキの瞳から、目を逸らした。

少し考えるようにわずかに俯いたあと。



「だけど……この傷のおかげで、ユキさんに会えた」


掴まれていたユキの手を、自分からぎゅっと握り返した。