余所者-よそもの-【 3 】



「他の男のところにいるお前を、ずっと好きなままでいろって?」


ユキはその細い背中に手を回し、強く抱きしめ返す。

愛しい彼女の吐息が、耳に触れた。


「お前は、ひどいね」


「……嫌いに、なりますか」

「だったら行くなよ」


嫌いになれるなら、とっくの昔にそうしてる。


「………」

ユキはカナコの長い髪を、上から下へと撫でた。

そのまま耳に触れ。

胸の前にあるカナコの額に手を滑らせる。


前髪をそっと持ち上げ、額の真ん中の傷痕を露わにした。


──『傷、残るんだってね』

──『隠れるところでよかったです』


この病院で縫合した、傷。

出会う前、男に負わされたもの。


馬鹿な女だと思った。

男に対する恨みつらみはまるでなく。

まして隠れるならいいと笑って受け流す。