余所者-よそもの-【 3 】




「紫藤のことが、好きなのか?」


「そういうのじゃ、なくて」

「もういい」

「……違う」

「何も言うな。俺は──……」


とん、と。

心臓が、跳ねた。


背中に回った手。

見下ろせば、カナコのつむじ。


「信じて……」


カナコが、ユキを抱きしめていた。


「……なにを?」

「信じて、待っていて……もらえませんか」

「いつまで?」

「いつまでかは、わからないんですけど」


カナコの熱が、ユキの胸をじわじわと温め、溶かしていく。