余所者-よそもの-【 3 】




面会時間が過ぎ。

サンコンと別れ、ユキとカナコは病院を出た。


駐車場に停めていたユキの車。

ピ、とロックを解除して、乗り込んだ。


ユキは運転席に座り。

カナコは助手席に静かに腰かける。


ユキは後ろ手でシートベルトを引きながら、


「帰るか」


そう、何気なく口にした。

二人にとって特別な、その一言。



「ユキさん」



カナコの声が、車内にぽつりと落ちた。


「………」

ユキはゆっくりと振り向いた。


しゅるり、と。

手放されたシートベルトが、定位置まで巻き戻る音が鳴り響いた。



「いやだよ」



「………」

「街を獲った」

「………」

「お前が帰れない理由はない」


そう。
全部潰した。

カナコが帰りたい場所に、帰れない理由を。


「かぁこ」

お前とずっと一緒にいたいから。