ユキは病室へと戻った。
そこには眠り続けるサンコンと。
その手を握り続けるカナコの姿があった。
「かぁこ。一度帰ろう」
そう声をかければ、カナコは静かに首を横に振った。
「……サンコンさんの目が覚めるまでは」
「わかった」
ユキは椅子をもう一脚持ってくると、サンコンのベッドから少し離れた壁際に置いた。
そこにカナコを座らせ、さっきまで彼女が掛けていた椅子を隣に運び、自分も腰を下ろした。
「少し、眠れ」
寝息を立てるサンコンから少し距離を取り、カナコと肩を並べて座る。
全身に力が入ったように、背筋をぴんと伸ばしたカナコ。
ユキはその頭に手を添え、そっと自分の肩へ引き寄せた。
「疲れたろ」
こつ、とユキの肩にカナコを寄りかからせると、頭に伸びる腕にカナコがそっと触れた。
「ユキさんの方が疲れてるのに」
そう言ったカナコの髪をすっと撫でると、腕に触れる彼女の手を取り、握る。
「サンコンが目を覚ましたら、起こしてやるから」


