余所者-よそもの-【 3 】



病室から離れ、待合室まで戻った三人。

潤と千景が三人掛けのソファに腰かけると、その前に立ったユキが口を開いた。


「状況は?」

「チカが多夜を追いかけてった後、残った野間がシトウを引かせた。『もう戦う意味がないから』って」

「そうか」

「俺以外、リンコやデック達は後始末をやってる」


潤はちらりとユキの表情を確かめてから、続けた。


「シトウは、落ちたようなモンだ」


シトウと、シトウ以外の者が起こした、大抗争。

最後、シトウは自ら引いた。


それが何を意味するのか。

あえて言葉にする必要もなかった。


なのに浮かない表情の二人。

潤は眉間に皺を寄せる。


「紫藤は?」

「紫藤は……闘える状態ですらなかった」


明かされた真相に。

潤の頭の中にずっと引っかかっていたものの正体が、うっすらと見えた気がした。


──『この戦いの本当の意味を理解したとき。それがあなた方の敗北』

──『理解できないまま事を終えることができれば、それがあなた方の勝利だ』


「シトウは落ちた。紫藤本人は倒す必要すらなかった。カナコちゃんも無事取り戻した」

「………」


「なあ。──俺らって、勝ったんだよな?」



潤の止まない胸騒ぎ。


ユキと千景は、口をつぐんだ。