余所者-よそもの-【 3 】



やがて到着した病院は、いつか。

ユキがカナコを連れ、出会った際に負っていた彼女の額の傷を縫合した──小さな外科病院。


受付を通り過ぎた先の待合室には、潤が一人、静かに座っていた。


「潤ちゃん」

潤はユキの呼びかけに振り返り、カナコの顔を見るなり「はあ……」と深い溜息を吐きながら、頭を下げた。


「カナコちゃん……よかった」

「サンコンは?」

「こっちも問題ねーよ。急所は外れてたらしい。臓器にも傷はないって。出血は多かったけど命に別状はなし」


それを聞いたカナコから力が抜ける。

ふら、とよろめいたカナコの身体を、ユキが後ろから抱き留めた。


カナコはユキに寄りかかったまま尋ねた。


「サンコンさんはどこに?」

「さっき処置が終わって、病室に移った。まだ意識が戻ってないから話せないけど、見に行く?」


カナコとユキと千景の三人は潤に連れられ、真っ白な部屋に入る。

ベッドの上で静かに眠るサンコン。


一脚の椅子にカナコが座った。


「サンコンさん……」


カナコは布団から出ているサンコンの手に、両手でそっと触れる。

あの時、自分から剥がしてしまった指先。


生きた温もりを確かめ続けるように、カナコはその手を包んだまま離さなかった。

「………」


しばらく動きそうにないカナコ。

先に潤とユキ、千景の三人が病室を出る。