余所者-よそもの-【 3 】




「お前は紫藤のなんなの?」

「なんでもない」

「なんだよ、それ」

「私はずっと紫藤を見てきた。だから、生かしたいだけだ」


そう言って紫藤を見つめるアオイの目は、今にも泣き出しそうな程悲しげだった。


「今、コイツには生きる気力がない。意識が起きても飯を食わないし、動こうとしない」

「病院にぶち込めよ」

「何度も病院には連れて行った。今は医者をここに呼んで診せてる」


アオイはそう話すと、カナコへ視線を移した。

言いづらそうに一度目を逸らす。


「……何度も。ソイツの名前を呼ぶんだ」


とても申し訳なさそうな顔でもう一度カナコを見てから、謝るように顔を伏せた。


「頼む」


絞りだすような声を上げたのは、多夜だった。

ぽろぽろと目から涙を零しながら、切実に懇願した。


「治らなくていい。元に戻らなくていい」

「………」

「俺を止めてくれなくても、どんな怜でもいい」

「………」

「怜を、死なせたくない」