余所者-よそもの-【 3 】




「もう、女を傷つけない」


沈黙に、多夜の声が割って入る。


「女は無傷で返す。約束する。少しの間でいい、貸してくれ」


短い言葉を慌てて詰め込む多夜。

千景の返事には、呆れと怒りが滲んだ。


「はあ?」

「怜が、生きられるようになるまででいい」

「ふざけんな」

「………」

「生きられるように、って何」

「普通に。普通の人間として」

「『普通に』って、いつまで?」

「………」

「一度ここまで堕ちた人間が『普通に』暮らせるようになるまで。何ヵ月、何年かかると思ってる」


多夜をギ、と睨みつける千景。

今度はアオイが口を開いた。


「カナコの身の安全は保証させる」

「信用できるわけないだろ」

「もうカナコを閉じ込めさせない。私が見張る」


淡々と答えたアオイを、千景は訝しげに見つめる。