余所者-よそもの-【 3 】




「だって、全部覚えてるんです。……忘れられない」


紫藤は、タカへの罪悪感を捨てないカナコを怒った。


──『男を見放さない。その選択の一つ一つが、男の首を締めた』


それでもカナコは。

あの日、紫藤にこう告げた。


──『だったら、私は。その罪と一緒に生きていく』


全部、忘れられない。

タカのことも、紫藤のことも。


──『後悔するか?あの日、俺に拾われたこと』


なにせ、カナコにとっては。


「……ユキさん」


目の前にいるユキも、千景も。

この街のかけがえのない出会いの全てが、紫藤から始まった。


──『お前、余所者か?』


あの日、手を差し伸べられなければ。

カナコにとっての、今日はない。


これは、不平等に訪れた出会い。

けれど、カナコには。


──『貧乏くじ』とは、到底思えなかった。