余所者-よそもの-【 3 】



──『過去は捨てろ』
──『あの男はもう、お前に何の関係もない』


紫藤はカナコに対して、これまで何度も捨てる選択を強いてきた。


──『一生そうやって生きていくつもりか?』

囚われるな。


──『全部まるごと捨てちまえ』

忘れろ。


──『つまらねぇ道徳ごと、全部』

見放せ。


今の紫藤も、それを望むのだろうか。

俺のことなんて放っておけ。
お前に関係ない。


そう、言うのだろうか。


「………」

カナコはただ。

目の前の紫藤と、話がしたいと思った。