余所者-よそもの-【 3 】



カナコの頭の中はぐちゃぐちゃだった。


タカと紫藤。

二つの傷が重なる。


どうして、目を逸らせないのか。

自分でもわからない。


紫藤から与えられた恐怖や痛みを忘れたわけじゃない。


それでも、重なった。

──いや。

だからこそ、ひどく重なるのかもしれない。


助けを求め、こちらに伸ばされていた……傷だらけの手。


”タカは私に酷いことをする人だから”。

”どうせ、私の手には負えないから”。


そんな言葉を免罪符にして、最後まで差し出すことができなかった、自分の手。


あの日の罪の意識が。

今、目の前に静かに横たわっている。