余所者-よそもの-【 3 】



「……っ」

多夜にとって、カナコは紫藤の治療薬だ。


こんなに傷ついて、ボロボロで。

痛いことを『痛い』とさえ言えないコイツに。


どこまでも優しいコイツに。

また、他人の傷を押し付けようとしている。



「かぁこ。帰ろう」

「………」


返事がない。


「……かぁこ」


カナコは動かなかった。