余所者-よそもの-【 3 】



「お前は、怜を治す」

「………」

「怜を、死なせるな」

「………」

「怜に──……」


──ドゴォ……、と音を立てて、多夜の身体が横へ吹っ飛んだ。

殴ったのは、ユキだった。


「……ふざけるな」


ユキは限界だった。

もう、我慢ならない。


「お前たちは、どれだけコイツを傷つければ気が済む……!!」


紫藤のこの姿を。

シトウの幹部にすら見せられない、この有様を。


ただ、カナコに見せるために。

そのためにシトウを捨ててまで、ここに連れてきた。


カナコにとって、この光景が。

何を意味するのかも知らずに。


──『彼が……シトウで死んだんです』

──『Z地区に迷い込んだ彼は、たった一人で死にました』

──『私のせいで死にました』

──『私は彼が死んでしまいそうだとわかっていたのに。見て見ぬふりをしました』


ユキの脳裏に。

泣けないカナコの懺悔がよぎる。