余所者-よそもの-【 3 】



「お前のせいで」

「………」


「怜が、死にかけてる」


カナコがひっかくように自分の肩を抱いたのと、


「お前……ッ!!」

ユキが拳を振り上げたのはおよそ同時だった。


けれど、それより先に動いたのは、

──パァン……!!


多夜の頬に平手打ちを浴びせた、アオイ。



「──お前のせいだろうがッ!!!」



アオイは痛々しい声で、多夜を怒鳴りつけた。


「なにを、する」

「……ねぇさんが、死んだ」

「そうだ」

「壊れた紫藤に、お前は薬をやらせた」

「そうだ」

「それでも治らないから……お前は、カナコをねぇさんの代わりにした」

「………」

「カナコを壊してでも、紫藤を治そうとした」

「……違う」


「紫藤はカナコを壊して、自分だって壊れた。それだけだろ!!」


多夜の喉が、小さく動いた。

アオイの声はずっと震えている。


「ねぇさんが死んだこと。紫藤が、こうなったこと……!」

「………」


「お前が紫藤にやったことまで……これ以上、この人のせいにすんなッ!!」



アオイはそう言って、ぺたん、と膝から崩れ落ちた。

俯いた彼女の目から、ぽたぽたと雫が落ち、フローリングを叩いた。