「お前のせいで」
「………」
「怜が、死にかけてる」
カナコがひっかくように自分の肩を抱いたのと、
「お前……ッ!!」
ユキが拳を振り上げたのはおよそ同時だった。
けれど、それより先に動いたのは、
──パァン……!!
多夜の頬に平手打ちを浴びせた、アオイ。
「──お前のせいだろうがッ!!!」
アオイは痛々しい声で、多夜を怒鳴りつけた。
「なにを、する」
「……ねぇさんが、死んだ」
「そうだ」
「壊れた紫藤に、お前は薬をやらせた」
「そうだ」
「それでも治らないから……お前は、カナコをねぇさんの代わりにした」
「………」
「カナコを壊してでも、紫藤を治そうとした」
「……違う」
「紫藤はカナコを壊して、自分だって壊れた。それだけだろ!!」
多夜の喉が、小さく動いた。
アオイの声はずっと震えている。
「ねぇさんが死んだこと。紫藤が、こうなったこと……!」
「………」
「お前が紫藤にやったことまで……これ以上、この人のせいにすんなッ!!」
アオイはそう言って、ぺたん、と膝から崩れ落ちた。
俯いた彼女の目から、ぽたぽたと雫が落ち、フローリングを叩いた。


