「……お前、頭おかしいんじゃないの?」
千景が吐き捨てる。
「治る?ドラッグ(コレ)で?」
「………」
「こんなモン、治すどころか」
「………」
「──お前が、紫藤を壊したんじゃないか」
多夜は再び首を横に振った。
「いや」
さっきよりも大きく、千景の言葉を頭から振り払うように、何度も。
「違う。この、女のせいだ」
多夜は、カナコを指さした。
「怜は、お前が死んだと思った」
「………」
「薬が増えた」
「………」
「だから」
そこで初めて、多夜の目がカナコへ向いた。
じっとりと、絡むようにカナコを睨みつける。
「お前のせいだ」
カナコの肩がびくりと跳ね上がり、震えた。


