余所者-よそもの-【 3 】



千景は目にも留まらぬ速さで走り、ドアノブを掴む。

捻って、開けば。


「……いた」


室内の廊下。

開きっぱなしの扉の先。


多夜と、カナコの背中が視界に映る。


「ママ!」


そう呼びかけたとき。


カナコの身体が、ゆっくりと、膝から崩れ落ちた。


「………」

なんだ。

どうした?


駆け寄る千景。

何度呼んでも、カナコはこちらを振り向かない。


千景は廊下を走り抜ける。


リビングがあった。

右手に、八畳ほどの部屋が広がっている。


カナコは部屋に入ることもせず、リビングと部屋の仕切りの前でへたり込んでいた。


彼女の視線の先には、一台のベッド。

ベッドの上に、誰かが横たわっている。


千景はカナコと同じ位置まで足を進めると、ぴたりと止まった。


「………」

その光景を目に映したまま。

ただ、カナコの隣で身動きを取らず、目を押し開いた。