エントランスには一台のエレベーター。
先ほど動きだしたばかり。
表示板を見上げる。
二階……
三階……
四階……
「………」
五階……
六階……
そこで、止まった。
確認するなり、エレベーター脇の非常階段に飛び込んだ千景。
階段をまともに上ることすらせず、手すりに足を掛ける。
鉄柵を蹴り、踊り場から次の踊り場へ。
最短距離で上へ駆け上がっていく。
あっという間に六階に到着すると、エレベーターホールから廊下に出た。
並ぶドア。
左右を素早く見渡す。
……どこだ。
どの部屋だ。
そこで見つけた。
廊下の突き当たり。
一枚だけ、扉がゆっくりと閉まりかけている。


