余所者-よそもの-【 3 】



エントランスには一台のエレベーター。

先ほど動きだしたばかり。

表示板を見上げる。


二階……
三階……
四階……


「………」

五階……
六階……


そこで、止まった。

確認するなり、エレベーター脇の非常階段に飛び込んだ千景。


階段をまともに上ることすらせず、手すりに足を掛ける。

鉄柵を蹴り、踊り場から次の踊り場へ。

最短距離で上へ駆け上がっていく。


あっという間に六階に到着すると、エレベーターホールから廊下に出た。

並ぶドア。

左右を素早く見渡す。


……どこだ。

どの部屋だ。


そこで見つけた。


廊下の突き当たり。

一枚だけ、扉がゆっくりと閉まりかけている。