余所者-よそもの-【 3 】



ユキがアオイと会ったのは、ただの一度。

――『ねぇさんと同じ目に遭わせる気だ』

いつか、多夜の手引きによりZ地区に連れ去られたカナコの居場所を知らせに来た、謎の少女。

それ以来だ。


ユキからしてみれば、奇妙で、怪しい少女。


まして今。

ここでユキを待ち構えていたかのように、落ち着いた様子で語りかけてくる。


「多夜は、死んでもカナコを連れてくる」

「………」

「アイツはもう、シトウなんてどうでもいいから」


その言葉を取り合うこともなく、ユキは踵を返す。


「待て」

呼び止めるアオイ。


ユキは足を止めない。

「お前に構ってる暇はない」


カナコのことは千景が追っている。

追跡は途切れていない。


自分もすぐにカナコを追いかける。


ユキだって、シトウなんかどうでもいい。

カナコが奪われてしまえば、シトウどころかこの世の全てに意味なんかない。