――ブオンッ!!
AnBarの軒先に響く、けたたましいエンジン音。
千景が振り返る。
倒れるシトウの構成員たちの向こうで、一台のバイクが走り出す。
ハンドルを握っているのは、多夜。
そして。
その後ろには、
「――ママ!!」
千景は一瞬、目を疑った。
多夜の後ろでバイクに跨っている、カナコ。
拘束されているわけでも、抱えられているわけでもない。
自分の足で、バイクに乗っていた。
仲間内の通話は、潤の報告に乱れていた。
――『ごめん。カナコちゃん、連れて行かれた』
サンコンが、刺された。
現在、止血をしている。
通話の向こうでは、次の動きを決める声が飛び交う。


