「……ごめんなさい」
カナコはそっとサンコンの手に自分の手を重ねた。
撫でるように親指に手を滑らせて、ゆっくりと服から剥がす。
「カナコ……さん」
次は人差し指。
それから、中指。
指を一本外すたび、サンコンの手はもう一度カナコを掴もうとする。
「ごめんなさい……ごめんなさい……」
そのたびに、また一本ずつ。
カナコは震える指を解いていく。
涙の出ない顔を、ぐしゃぐしゃに歪めて。
嗚咽のように、時折息を乱しながら。
「私に、守らせ……」
そして、最後の一本。
力なく引っかかったその指を。
「……っ」
カナコは、自分の手で外した。
その瞬間。
多夜に腕を引かれたカナコの身体が、サンコンから遠ざかる。
追いかけるように伸びたサンコンの手は、空を切り。
――ドサリ、と、床へと倒れた。


