「………」
膝をついたサンコンの足の隙間から、かろうじてカナコの足が見える。
サンコンの大きな身体が、小さなカナコを丸ごと包み隠すように、すっぽりと腕の中に抱え込んでいた。
多夜に殴られ、蹴られながら。
決して手放すものかと、固く、固く、自らの腕の中で閉じ込めるようにして。
なんだ。
どういう状況だ。
サンコンの身体は、手前に立つ多夜に隠れて、よく見えない。
潤は一歩足を引き、視線を動かした。
まず見えたのは、多夜の右手。
――握られた、ナイフ。
「潤さんっ!潤さん、助けて……!!」
ぽた、ぽた。
店内の照明に反射した刃先は、鈍く光りながら血を滴り落としている。
「……は?」
「サンコンさんがっ、サンコンさんが……」
「………」
「刺された……ッ!!」
分厚いサンコンの身体、その向こうから。
カナコの悲鳴。


