潤と野間が至近距離でにらみ合う。
「………」
「………」
ふと、音が途切れた。
しん、と静まるフロア。
潤は痛々しい野間の右目の傷跡を見つめながら、違和感を覚えた。
なんだ。
この、妙な静けさは。
自分たちだけじゃない。
サンコンと多夜から発せられていた音が、消えている。
「……ぃや」
すると、カナコの囁くほど小さな声が聞こえた。
目の前にある野間の眉が、ピクリと跳ね、眉間に皺が寄る。
次いで、左目が脇へと流れた。
潤は後を追うように、首ごとゆっくりと、振り返った。
「――サンコンさん、離して……」
くぐもったカナコの声。
本人の姿は見えない。
「おい……何してる?サンコン……」
カナコの声を辿れば、彼女はサンコンの腕の中にいるようだった。


