余所者-よそもの-【 3 】



「よそ見していられるほど、余裕あるっすか?」

「……ッ!!」


いけない。

自分の闘いに集中しなくては。


潤は野間と再び殴り合った。


背後にはカナコ。

とても不安そうな顔で、二つの戦闘を見守っていた。


殴る、蹴る。

殴打の応酬。


戦闘開始から、そろそろ五分ってところか。


「そろそろ撤退を考えたらどうだ?」

「………」


野間がここに入った時、ヤツは『10分』という目安を立てていた。

その読みは正しかった。


潤のイヤホンから聞こえてくる表の戦況。

千景のいう『袋のネズミ』状態の完成はもう間近。


コイツらはもう逃げられない。

表情に焦りの滲む野間の拳を、――パシ、と受け止めた。


「……ホント。どうしましょうかね」

「もう諦めろ」