余所者-よそもの-【 3 】



カナコは悲しくて、泣き出したくなった。

野間が生きていたことは嬉しい。


だけど。

「ああ、これっすか?」


野間が右目に触れる。

瞼の上を大きく走る、深い傷跡。

そこに、瞳はない。


野間の右目は、潰れていた。


「野間くんっごめん……ごめんね……っ」


野間はカナコから傷跡を隠すように、右手でその場所を覆った。

右手中指のタトゥが、なくなった瞳の代わりに彼女を見つめているようだった。


「やめてください。これでも自分じゃ気に入ってるんです」

「………」

「タトゥみたいなもんです」


そういって、野間は物悲しそうに笑う。


「……さて。多夜さん」

「………」

「表はもって10分す」