そして。
――AnBar内では。
「………」
「………」
向かい合い、にらみ合う……多夜とサンコン。
その後方で、潤がカナコを背に立っていた。
カナコは目を見開き、震えていた。
だって。
「……どう、して……野間くん……」
目の前に、野間がいる。
死んだと聞かされていた野間が、生きている。
多夜に遅れ、L字の角から出てきた野間。
ゆっくりと足をフロアへ進めながら、口を開いた。
「すみませんね、カナコさん。味方になりきれなくて」
カナコは首を横に振る。
「死んじゃったって……そう」
「死んじゃった、か。たしかに僕は紫藤さんの中では死んだことになってるのかも。およそ、死に近い仕打ちだって受けましたし」


