余所者-よそもの-【 3 】



野間の出現に、イヤホンから流れる通話はいろんな声が飛び交っていた。

しかしユキが話しだすと他は黙り、彼の声だけが絶えず千景に届き続けていた。


『答えろ!どうなってる!』

「野間と多夜が中に入った」

『……すぐ、戻る』

「いや、戻ってくんな」


千景の声に、ユキが押し黙る。


「お前が戻ってくる頃には、こっちは終わってる」

『なぜそう言い切れる』

「アッチはどう考えても捨て身だ。ここの人数は大したことない。十分以内に片がつく」

『………』

「中に入ったのはたった二人。そこには潤とサンコンがいる」

『万が一、かぁこを連れ出されたら?』

「出さない。……絶対に、逃がさない」


千景のカナコへの執念を、ユキはうざったいほどに知っている。

だからこそ、千景を最終防衛線に置いた。


それに。
ユキにとっても、千景にとっても。


「これは最悪の事態なんかじゃない。想定の範囲内の話だ。策だって立ててたろ」

『野間は想定外だ』

「一番の想定外で言えば、紫藤がいないことだ」

『それはそうだ。でも』

「冷静になって考えろ。今のこの状況自体が、こっち戦力をAnBarに集めるための陽動かもしれない」

『………』

「お前はそのままRe:bidoに行け」