――ドゴン……ッ!
千景の回し蹴りが、目の前の男の顔面を捉えた。
一人。
続けて、二人。
三人目の頭への飛び蹴りに、背後から迫る男もろ共なぎ倒しにした。
「なるほど」
AnBarに入られた。
けれど――入ったのは、二人だけ。
千景は頭の中を急速に処理していく。
今、必要な情報は。
「おい、そっち側まだシトウは流れてきてるか?」
『いえ、もう全部流れきったようです。止められず……すみません』
シトウと逆側からの流入は、もう止まった。
シトウ側もリンコが抑え直している。
ってことは。
増援はたったこの程度。
今ここにいる連中を片付ければ、それで終わり。
AnBarの中には潤とサンコンがいて。
出口は自分とZ地区のメンバーで塞いでいる。
「……馬鹿が。袋のネズミだ」
そう呟いたところで、さっきからずっと煩い声にやっと反応を返す。
『……チカ!おい、聞いてるか!』
「なに?」


