余所者-よそもの-【 3 】



「……クソッ!!」

野間は千景の気を引くための、囮(オトリ)だった。


すぐさま千景は動こうとした。

しかし、そうはいかなかった。


わらわらと、細道に湧き出るシトウの構成員。


シトウ方向からは多少。

それよりもシトウと逆方向からが多い。


野間に殴りかかろうとすれば、構成員がまるで捨て身になって千景の前に踊り出た。

Z地区の人間たちも急いで応戦するが、突然の出来事に対応が追い付いていない。


「じゃあ。何はともあれ」


野間がそう切り出した頃には、彼はもうAnBarの扉に手をかけていた。


「ちょっと、お邪魔します」


そう言って、野間がAnBar店内に吸い込まれていった。